豆知識

次世代電池

皆さん、こんにちは。Enebuil(株式会社OLYMPUS.)の長谷川です!

「長野県をエコ県 日本一にする」を目標に、電気自動車充電設備・太陽光発電・蓄電池・電気自動車の施工販売を行っている会社です。あと、新電力会社なんかもやってますので、電気周りは全部お任せいただけます!

最近のブログでは、「蓄電池の展望」としまして、今後の蓄電池はどうなっていくのか、技術の革新や市場動向などを取り上げています。

ここ数回にわたって、蓄電池市場の業界動向についてをお伝えしています。

今回のブログでは、「次世代電池」と題してお話させていただきますので、皆様最後までお付き合い下さい!

「もっといい蓄電池が出るんじゃないの?」お客様からそうご質問いただくこともございます。

現在、ご家庭で使用される蓄電池は「リチウムイオン電池」という電池が使われています。

このリチウムイオン電池が普及する以前は、車のバッテリーなどに使われる昔からある鉛蓄電池が広く使われておりました。

鉛蓄電池とリチウムイオン電池とを比べた時に、リチウムイオン電池は小さくて軽くて長寿命な製品だったので、鉛蓄電池の次の蓄電池として広く普及が進んだのです。

実際に、2019年にノーベル化学賞を受賞された吉野彰さんの受賞理由はリチウムイオン電池に関するもので、「軽量かつ再充電可能で、強力なこの電池は現在、携帯電話からノートパソコン、電気自動車まで、あらゆるものに使われていること」、「太陽光・風力発電によって相当量のエネルギーを蓄積することも可能で、化石燃料を使わない社会を実現する可能性をもたらしたこと」というものでした。

1つ目で述べられたように、リチウムイオン電池がここまで広く普及した理由は、リチウムイオン電池が小型・軽量の電池であること、つまり体積(重量)あたりのエネルギー密度が高い電池であることがあげられます。

もしリチウムイオン電池が開発されず、鉛蓄電池だけの世界だったら、スマートフォンのような製品は開発できなかったでしょうし、モバイル機器はここまで発達せず、現在のような高度情報化社会にはなりえなかったでしょう。

新たな電池の開発により、新たな市場がうまれ、より高性能な電池が必要とされてくるのです。

リチウムイオン電池はモバイル機器やご家庭の蓄電池としてだけではなく、電気自動車のバッテリーとしても使われています。

電気自動車のバッテリーとして使用する際に、「もっと小型化できないか?」「より安全性を上げられないか?」など様々な要望が出てきて、新しい電池の開発が進められています。

それが今回のテーマでもある「次世代電池」と言われるものです。

また、現在普及しているリチウムイオン電池は高価であるというところも次世代電池の開発が進められる理由の1つでもあります。

現行のリチウムイオン電池には「リチウム」や「コバルト」という希少金属(レアメタル)が使われております。レアメタルは聞いたことがある方もいらっしゃるかと思いますが、名前からも分かるように、”レア”な金属であり、地球上に存在する量が決まっており、その存在比率が極めて少ない金属のことです。

つまり、リチウムイオン電池は無限に量産できる電池ではなく、限られた素材から生産をしなければならないものであり、そういった素材の特性から安くすることが難しい製品なのです。

そのため、市場原理に合わせて安い製品をとなったときには、リチウムイオン電池を安くするというよりは、それ以外の素材で同じような高性能な電池が作れないかと、次世代電池の開発が進められるのです。

「次世代電池」の開発には、大きく下記3点のポイントがあります。

①エネルギー密度

②寿命

③安全性

上でも書いたように、リチウムイオン電池で、もしくは素材を変えて全く違う電池で今よりも性能がよい電池の開発が進められています。

具体的にどのような「次世代電池」が出てきているのでしょうか?

・全固体電池

・バイポーラ型蓄電池

いくつもの電池が開発されていますが、上記2つの次世代電池を取り上げてお伝えさせていただきます。

・全固体電池

「全固体電池」とは、金属イオンが移動する電解液(電池の構成部分の1部)を、固体電解質に変えたもののことです。現行のリチウムイオン電池は電解質が電解液と呼ばれる液体ですが、この電解質を液体から固体に変えようとしているのです。

電解質を液体から固体にすることで、一つ一つの”セル”として包まれたものを作る必要がなくなるので、エネルギー密度を向上させ、小型化につなげることができます。

また、固体であれば液漏れの心配がなくなり、安全面や耐久面にもメリットがあるとされています。

ただ、液体であればリチウムイオンなどの金属イオンが移動しやすかったのが、固体にすると移動しにくくなってしまうのが課題となっています。

・バイポーラ型蓄電池

古河電気工業と古河電池が共同開発した新しいタイプの鉛蓄電池。2021年度中にサンプル出荷、2022年度から製品出荷をしていく予定を発表しています。

こちらの電池は上に名前があがっていた鉛蓄電池をベースにしたもので、正極負極という2つの電極が1枚の裏表にあり、その間に電解質を含むセパレータを介して”バイポーラ電極”を積層するシンプルな構造のものです。

バイポーラ型の構造の実現により、従来の鉛蓄電池と比較して材料削減が可能で、小さくできるので体積あたりの容量の向上により、従来の約2倍のエネルギー密度を実現できるとされています。

素材を薄くする技術と長寿命化の両立などに課題があり、実現されていなかったバイポーラ型の蓄電池ですが、いよいよ今年サンプル出荷とのことなので、実際の製品が楽しみですね。

これ以外にも、トヨタやソフトバンクをはじめとする企業や、企業と大学などの研究機関との連携開発も進められています。

多くの人々が次の電池の開発を進めている中ですが、なかなかリチウムイオン電池を越える電池の開発にはまだいたっておらず、開発のフェーズが終わると、その後製品化のフェーズに入り、皆様のお手元に届くまでにはまだ時間がかかりそうです。

最初のご質問に戻ると、「もっといい蓄電池が出るんじゃないの?」ということに対するお答えとしては、「確かに開発は進められています。しかし、まだ実用にはいたっていません。」といったご回答になるかと思います。

また、開発されている次世代電池が、蓄電池として良いものなのか?といった点もぜひ気にして見ていただければと思います。

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