豆知識

海外製の蓄電池メーカー

皆さん、こんにちは。Enebuil(株式会社OLYMPUS.)の長谷川です!

「長野県をエコ県 日本一にする」を目標に、電気自動車充電設備・太陽光発電・蓄電池・電気自動車の施工販売を行っている会社です。あと、新電力会社なんかもやってますので、電気周りは全部お任せいただけます!

最近のブログでは、「蓄電池の展望」としまして、今後の蓄電池はどうなっていくのか、技術の革新や市場動向などを取り上げています。

ここ数回にわたって、蓄電池市場の業界動向についてをお伝えしています。

今回のブログでは、「海外製の蓄電池メーカー」と題してお話させていただきますので、皆様最後までお付き合い下さい!

「もっと安い電池が海外から入ってくるでしょう?」そうお客様に言われることがございます。

実際に、海外メーカーの蓄電池の導入も始まってきています。今日はそんな海外製の蓄電池メーカーについてもお伝えしていきたいと思います。

そもそも海外でも蓄電池は普及しているのでしょうか?

株式会社三菱総合研究所が定置用蓄電システム普及拡大検討会(第4回)のためにまとめた「定置用蓄電システム普及拡大検討会の結果とりまとめ(2021年2月2日)」という資料では「Ⅱ. 蓄電システムをめぐる現状認識 1. 国内外の家庭用蓄電システム市場の現状」として蓄電池の導入が進む各国の状況がまとめられておりました。

その資料では「家庭用蓄電システムは、日本、ドイツ、豪州、米国CA州において比較的導入が拡大している。」とされており、家庭用蓄電池の普及が日本と同様に進んでいるのはドイツ・オーストラリア・アメリカの3カ国であることが分かります。

市場状況を見ていく上で、重要となるのが価格水準、商流構造、普及が推進される政策(ドライバーとなるもの)の3つです。

具体的に下の表にまとめてみました。

国名日本ドイツオーストラリアアメリカ(CA州)
価格水準工事費を除く蓄電システム価 格の総額:14.0万円/kWh程度6~12kWh規模のシステムで工事費を除く蓄電システム価格:1,160EUR/kWh(約14.2万円/kWh)  8kWh規模のシステムの工事費を除く価格:1,240AUD/kWh (約9.3万円/kWh)  米国において最も市場シェアの高いTesla Powerwall(13.5kWh)の工事費を除く価格水準: 563USD/kWh(約6.2万円/kWh)
政策・ドライバー導入補助として、VPP実証事 業や、災害対応施策を通じた 家庭用蓄電システムの導入支 援策等がある。連邦・州政府 による補助金政策及び高い電 気料金。 •FIT制度の終了を見据え、地方 自治体がいち早く自家消費率 向上を目指した政策を打ち出し ていることが特徴。補助金。VPP加入をセットにした導入も 進んでいる。パリティには達していないが、TOU 料金、政府の補助金などをドライ バーとして着実な導入が進んでい る。

日本とドイツが同程度の価格で、それと比べてオーストラリアとアメリカは低い水準となっています。

そうすると、オーストラリアやアメリカで売られている蓄電池が日本に入ってきたら、安い蓄電池が入ってきたということになりそうですね。

実際に、そんな海外メーカーの蓄電池が日本に上陸しています。それは、「Tesra(テスラ)」!アメリカのメーカーです。

「テスラってあのテスラ??」自動車が好きな方はそう思われたかもしれません。

はい、あの電気自動車やソーラー、クリーンエネルギーのテスラ・モーターズです!

2019年10月にテスラ・モーターズ・ジャパン(以下、テスラ)が、家庭用蓄電システム「Powerwall(パワーウォール)」を2020年春から日本で発売(設置開始)することを発表しました。

蓄電池市場においても「テスラが日本に上陸する」ということは言われていたのですが、いよいよ昨年春から設置も始まっているのですね。

特に注目を集めているのはその価格の安さです。

Powerwall本体価格82万5000円(税抜)
Backup Gateway(系統電力接続をコントロールする部分)16万5000円(税抜)
※合計金額99万円(税抜)

「Powerwall」と呼ばれる蓄電池の本体価格が82万5000円、蓄電池とご家庭に供給する電線とを繋ぐ「Backup Gateway」が16万5000円で、合計しても99万円と100万円を超えない製品なのです!

日本製でも100万円の蓄電池がない訳ではありませんが、「Powerwall」は13.5kWhもの大容量であるにも関わらず、100万円を切る価格なのです。

蓄電池の価格設定はおおよそ蓄電池容量に比例する傾向にあります。そのため、「円/kWh」という単位の1kWhあたりの価格で比較することがあります。

その計算でいくと「Powerwall」は「990,000 ÷ 13.5 = 73,333円/kWh」で、約7万3,000円です。

日本国内で市販されている家庭用蓄電池は1kWhあたり20万円以上が相場なので、その値段の低さは明確です。なんと、相場の約1/3程度の価格で販売されているのですね!

上の価格に工事費用は含まれていませんが、工事費用は他の蓄電池でも同様の費用がかかってくるのでどちらにしても相場よりだいぶ安いことには変わりありません。

そんな「Powerwall」ですが、どんな特徴があるのでしょうか?

蓄電容量:13.5kWh

出力:5kW

寸法:高さ 1150 mm x 幅 753 mm x 奥行 147 mm

質量:114kg

温度範囲:-20℃〜50℃

負荷形態:特定負荷

設置場所:屋内・屋外(壁掛け可能)

保証:10年

また、これ以外の特徴として、制御はリモコンではなく「Tesla app」というスマホ用の専用アプリで行います。

他の蓄電池と変わったところはないのに、なぜこんなに安く販売できるのでしょうか?

それは、お客様とテスラが直接売買を行う「直販モデル」という販売方法を採用しているためです。

ですので、皆様がテスラの蓄電池を買いたいと思ったら直接テスラのホームページにてお申込みをしていただきます。

購入はテスラから直接行い、請求書などもテスラとの直接のやり取りになりますが、工事に関してはテスラの指定する認定施工店にて実施いたします。

日本での認定施工店は2021年1月の段階で8社で、そのうちの皆様のご家庭が指定エリア内である会社で工事を実施いたします。

確かに安い蓄電池ではあります。しかし、「サービス」という点では少し不安が残るかもしれません。

・Tesla ウェブサイトから予約をしないと購入できない

・請求書などはメールで送付されてくる

・リモコンはスマホのアプリである

上記のようなことをネックと感じられない方であれば、設置いただいてもご満足いただけるかと思いますが、1つでもご不安に思われることがあれば、しっかりと調べていただいて問題がないと思われてから購入の手続きを進めていただければと思います。

また、「JIS C 8715-2」や「JIS C4412-1」といったJIS規格と呼ばれるものは現在申請中であるので、日本の規格をまだ通っていないという点に不安を感じられる場合も、申請が通ってからご検討いただくのがよろしいかと存じます。

海外製ではありませんが、同じ「直販モデル」を採用しているメーカーに「スマートソーラー」があります。

こちらのメーカーでは「スマート蓄電システム」といった蓄電池を販売しています。

その製品の特徴はスマートソーラーのホームページに「高性能・高品質でありながら、業界平均価格を大幅に下回る価格が、お客様から支持いただいています。また「S-JET認証」および「JET部品認証」を取得し、安心・安全の確保に努めています。」と書かれています。

やはり、こちらも一番の特徴となるのはその価格のようです。

スマートソーラーでは「透明性の高い、明朗価格」を謳い、月々9,800円(税込み)で設置が可能と言います。

関連商品も含め、それぞれの価格が掲載されておりましたので、下にまとめます。

 価格 ※税抜き
スマート蓄電S698,000円
ハイブリッドパワーコンディショナー225,000円
スマートスイッチボックス-H110,000円
スマートAI120,000円
標準設置工事費335,000円
合計1,488,000円

※ 標準設置工事について

● 北海道・沖縄・離島は標準設置工事対象外です。

● 現地調査の結果、追加工事が必要な場合には別途工事費が必要となります。

上の合計金額に、製品保証15年間の延長(42,000円)を無償で付けて、月々9,800円(税込)とのことです。

スマートソーラーの「スマート蓄電システム」もテスラの「Powerwall」と同様に、容量は10kWhを超える11.8kWhの大容量でこの価格!

テスラ「Powerwall」のときの計算と同様に、本体価格だけで1kWhあたりの価格を計算してみると、「スマート蓄電システム」は「1,153,000 ÷ 11.8 = 97,712円/kWh」で、約9万8,000円です。テスラの「Powerwall」よりは高いですが、現在の市場の製品と比べると十分に安い価格であると言えます。

「スマート蓄電システム」の特徴は下記です。

蓄電容量:11.8kWh

サイクル数:「6000サイクル」の耐久試験をクリア

寸法:高さ 883 mm x 幅 861 mm x 奥行 276 mm

質量:約155kg

使用周辺温度範囲:0〜45℃(充電時)、-10~45℃(放電時)

負荷形態:全負荷

設置場所:塩害地域を含む屋内外設置

保証:10年

また、これ以外の特徴として「安心・安全・発火しないリチウムイオン電池」と「一体型防水・防塵構造の強靭なケース」の記載がございます。

なんだか強い蓄電池なのですね。

懸念点としては、使用周辺温度範囲が充電時は0~45℃、放電時は-10~45℃という部分です。カタログの注意書きには「温度によっては出力が制限されることがあります。」とあります。

長野県ですと、0℃よりも気温が低い日もあると思いますので、寒い地域にお住いのお客様は一度メーカーにお問い合わせいただくのがいいかと思います。

どちらも魅力的な製品ですが、注意すべき点もございますので、皆様のご家庭に合うのかを一番に考えていただければと思います。

長野県・群馬・山梨で太陽光発電・蓄電池をご検討されているお客様へ
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