豆知識

蓄電池によって実現する未来

皆さん、こんにちは。Enebuil(株式会社OLYMPUS.)の長谷川です!

「長野県をエコ県 日本一にする」を目標に、電気自動車充電設備・太陽光発電・蓄電池・電気自動車の施工販売を行っている会社です。あと、新電力会社なんかもやってますので、電気周りは全部お任せいただけます!

最近のブログでは、「蓄電池の展望」としまして、今後の蓄電池はどうなっていくのか、技術の革新や市場動向などを取り上げています。

ここ数回にわたって、蓄電池市場の業界動向についてをお伝えしています。

今回のブログでは、「蓄電池によって実現する未来」と題してお話させていただきますので、皆様最後までお付き合い下さい!

記念すべき100本目のブログとなりました!

これまで蓄電池や再生可能エネルギーに関して、様々なテーマでお話ししてきましたが、今回は100本目のブログということで、少し海外にも目を向けて、日本より先を行くドイツの再生可能エネルギーの取り組みについてお伝えできればと思います。

これまで何度か取り上げた太陽光発電の固定価格買取制度、通称FIT制度は、実はドイツを参考にして作られた制度でした。ドイツは再生可能エネルギーの普及に関して、日本よりも一歩先を進んでおり、参考にされています。

今回は、そんなドイツの話の中でも「シュタットベルケ」についてをテーマにお話していきます。

日本では、2000年3月から電力小売自由化がスタートし、2016年4月には全面自由化となり、皆様のご家庭でもどこから電気を買うのか、電力の売り手やサービスを自由に選べるようになりました。そんな電力自由化から5年が経った訳ですが、近年ではエネルギー事業を地域活性化や地域振興に結びつけようという動きが広がっています。

経済産業省資源エネルギー庁の「どうする?ソーラー」というホームページでも「電力の地産地消」として、6つの自治体新電力の取り組みが取り上げられています。

新電力というと、ガス会社や通信系、石油系などの大手の会社が参入しているイメージですが、自治体出資の新電力会社ではエネルギーの地産地消や地域密着型サービスで、他の新電力会社ではない取り組みを行っています。

例えば、静岡県浜松市の浜松新電力では「卒FIT太陽光発電を活用した地域貢献プラン」として、卒FITのお客様から買い取った電力のうち、半分の5円/kWh分はお客様へ、残りの半分の5円/kWhは浜松市の小中学校等へ寄附・寄贈する、というプランを用意しています。

固定価格買取期間が終わった電力を地域貢献に活かせるのですね。

浜松新電力が調べたところによると、「卒FIT電源を活用し、自治体を通じた地域への利益還元は全国最高値。」とのことです。

そうした分野において、近年広まってきた言葉に、ドイツ語の「シュタットベルケ(STADTWERKE)」があります。

「Stadt Werke」に由来する名称で、英訳すると「City Works」、日本語に直訳すると「町の事業」を意味します。

具体的には、自治体が地域に特化して経営する都市公社のことですが、日本では「公社」というと、第三セクターの赤字事業が連想されてしまいあまりイメージが良くないため「シュタットベルケ」とドイツ語そのままで呼ぶ、と「一般社団法人日本シュタットベルケネットワーク」のホームページに記載されています。

この「一般社団法人日本シュタットベルケネットワーク」はドイツでの先行事例をもとに、シュタットベルケを導入して、地域を元気にする取り組みを支えるためとして2017年9月に設立しました。そして「シュタットベルケ」を日本に浸透させた立役者である立命館大学 経営学部国際経営学科 教授のラウパッハ・スミヤ・ヨーク氏(独)が理事に就任しています。

ドイツのシュタットベルケの歴史は古く、起点は19世紀後半にさかのぼります。19世紀後半からガス供給や上下水道、電力事業、公共交通機関など、時代の変遷とともに、時代ニーズに合わせた様々な分野のサービスを提供してきました。

2000年頃からは、電力自由化やFIT制度の導入などもあり、再生可能エネルギー事業がシュタットベルケの大きな軸の一つとなりました。

先述した多くの日本の自治体新電力が手本としているのがこの「シュタットベルケ」であり、これを目指して新たに事業計画を立てる自治体も少なくありません。

ドイツと日本の電力と再生可能エネルギーに関する政策について、始まった時期をまとめてみると、下記の表になります。

 ドイツ日本
電力自由化1998年2016年(全面自由化)
固定価格買取制度(FIT制度)2000年2009年

ドイツはどちらの制度も約20年の歴史があり、日本より先行した経験やノウハウが蓄積されています。ですので、シュタットベルケが日本でも広がっていくのが近い未来として起こるでしょう。

具体的にシュタットベルケによってどんな未来が待ち受けているのでしょうか?

そもそもシュタットベルケの良さについてまず見てみたいと思います。

シュタットベルケの最大の特徴は、多様な公共インフラ・公共サービスを複数提供していることにあります。

同じ地域の同じ顧客相手にガスや電気、水道といったインフラを提供することで、多様なサービスの窓口を1つに集約することが可能となります。また、請求書なども1枚にすることができます。

これはシュタットベルケ側にもメリットですし、お客様にとってもメリットがあることです。

このように、地域に密着して複数のサービスを提供することによって、相乗効果がうまれ、その効果が地域に根付き、経営を安定させるための秘訣なのです。

管理面やファイナンス面だけではなく、税制上のメリットなどもありますし、交通部門や文化施設など収益が上げにくい赤字部門を高収益事業で補填することができることが、サービス数を保ったまま経営が安定する理由です。

それでは、日本でシュタットベルケを実現するにはなにが重要なのでしょうか?

日本におけるシュタットベルケ浸透の立役者であるラウパッハ氏(独)は「ドイツシュタットベルケの変化するヨーロッパエネルギー市場への対応戦略」という論文の最後に、日本でシュタットベルケの設立を考慮する際に重要な要素として、下記のように述べています。

〇各地域で確かな経済性と公共サービスの為の明確な任務を兼ね備えた日本のシュタッ トベルケのコンセプトには、はっきりした説得力のある理論的根拠が無くてはならな い。自治体先導の投資を認め正当化できうる論理的根拠は 1)地域の次の世代に持続 可能な将来を確保する為の再エネへの投資、2)地域雇用と付加価値を創出する事によ る地域経済の活性化への展望、3)人口構造の課題に見合った地域インフラ設計へのエ ネルギーの統合、4)高齢者、教育、家族にとって必要不可欠な公共サービスに資金供 給する為の追加財源創出の期待 〇市町村は、多様なエネルギー関連商品とサービスを一括して範囲の経済を作り出す為 には、水道、廃棄物、下水管理などの分野で存在する資産を活用する必要がある。自 治体所有の建物やインフラの現存資産は、省エネルギーや電力・音冷熱供給の請負な どの重点的サービスを提供する始動的プラットフォームとして仕える事ができる。そ のようなプラットフォームは再エネへの積極的な地域投資を促進する基盤となり、結 果的に固定価格買取制度を通して安定した長期的な収入源を確保できる。これは最終 的には小売販売とエネルギー取引へのリスク意識のある慎重な参入を可能にするだろ う。 〇他の市町村、地元企業、または選ばれた戦略的パートナーとの提携、パートナーシッ プ、同盟構築は、限界質量や規模の経済そして競合的費用とサービス基盤を作り上げ るには必要不可欠のようである。大事な事は企業独立性の維持の必要性を持つ民間の 商業的利益と、公的任務の責任間のバランスであるだろう。 〇最後に、顧客の利益、顧客サービス、そして妥協の無い顧客管理への焦点が、自由化 された競合的なエネルギー市場で将来成功するために最も重要性である。どのように 顧客を勝ち取り顧客を束ねるかが戦略形成の中心になるべきであろう。

シュタットベルケの実現によって、地域で経済やエネルギーが循環する社会がもうまもなくやってこようとしています。 太陽光発電や蓄電池をはじめとする再生可能エネルギーの活用は、シュタットベルケが目指す、「災害に強く、持続可能な地域作り」にはなくてはならないものなのです。

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