豆知識

カタログの容量すべてを使えるわけではない

皆さん、こんにちは。Enebuil(株式会社OLYMPUS.)の長谷川です!

「長野県をエコ県 日本一にする」を目標に、電気自動車充電設備・太陽光発電・蓄電池・電気自動車の施工販売を行っている会社です。あと、新電力会社なんかもやってますので、電気周りは全部お任せいただけます!

最近のブログでは蓄電池の陥りがちなトラブルとして、よくお客様にご不安の声をいただくポイントを取り上げています。

今回は「カタログの容量すべてを使えるわけではない?」についてを皆さんにお伝えできればと思います。

例えば、オムロンの「KP-BU65-A」という型式の製品は「蓄電池容量:6.5kWh」と記載されています。それと同時に「実効容量:5.9kWh」とも記載があります。

この「実効容量」というのが今回のブログでお伝えする内容のキーワードとなっています。

「カタログの容量すべてを使えるわけではない?」の答えになってくるのは、「カタログに掲載されている「蓄電池容量」のすべてを使えるわけではなく、実際に使える容量は「実効容量」として記載されている容量である。」です。

先ほどのオムロンの商品であれば、実際に使える容量は「蓄電池容量:6.5kWh」ではなく、「実効容量:5.9kWh」ということですね。

では、なぜ蓄電池容量ではなく、実効容量分しか使えないのかについて、今回のブログではお伝えできればと思います。

蓄電池はその特性上、カタログに記載されている蓄電池容量の全てで充放電をすることはできません。

「蓄電池容量:6.5kWh」とあっても、6.5kWh全てで充放電ができないということですね。

この理由となるものが2つありますので、順番にご説明していきます。

①放電深度

放電深度とは、電池の容量に対する放電量の割合のことを示します。

放電深度は「Depth of Discharge」を略して「DoD」と呼ばれることもあります。

この放電深度(以下、DoD)は、充放電をくり返す2次電池の蓄電池の劣化と密接な関りがあります。

DoDが深い、電池容量が0に近づくまで使えば使うほど電池の劣化が進行してしまうのです。ですので、DoDが深くなればなるほど、電池が大きなダメージを受けてしまいます。

大きな劣化を防いで、長く使うためにも、家庭の蓄電池では、このDoDが70~80%程度に設定を行います。

②変換効率

太陽光発電で発電する電気や、蓄電池が充放電をする電気は直流ですが、ご家庭内の電気は全て交流電流です。

ですので、蓄電池に貯めた電気を家庭で使おうとする時には、電流を直流から交流に変えなければいけません。この変換効率がおよそ95%程度とされています。

直流で100あるものが、交流でもそのまま100で使えるわけではなく、変換の際に少し減ってしまって、5%分の損失が発生しているのです。

しかし、リチウムイオン蓄電池は直流で充放電を行うので、交流からの充電・交流への放電の際に、それぞれ電力を変換しなければなりません。その変換効率がおよそ95%程度なので、充放電でそれぞれ約5%分の損失があるのです。

ニチコンのホームページの中に、「実効容量」について下記のQ&Aがございました。

Q. 蓄電池容量は、全部使えますか

  1. DOD(放電深度)92%の範囲で使用できます。実効容量としては、12kWh×0.92=11.04kWh使用できます。

ここでは「①放電深度」は「92%」で設定されているようです。

また、変換効率についての記載がありませんが、それも含めて計算してみると下記の式となります。

12kWh(蓄電池容量)×0.92(放電深度)×0.95(充電時の変換効率)×0.95(放電時の変換効率)= 9.96kWh(実際に使える容量)

つまり、蓄電池容量が12kWhの製品でも実際にご家庭で使用できる容量は約10kWh程度ということです。

ご家庭で10kWh程度使用したいと思ったら、10kWh程度の蓄電池容量の製品ではなく、12kWh程度の蓄電池容量の製品を選ぶことが必要ということですね。

このように、実際に記載されている蓄電池容量よりも、ご家庭で使える容量は少なくなりますので、ご購入される前に抑えておいていただきたいポイントです。

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