豆知識

今年の売電単価と今後の予測

皆さん、こんにちは。Enebuil(株式会社OLYMPUS.)の長谷川です!

「長野県をエコ県 日本一にする」を目標に、電気自動車充電設備・太陽光発電・蓄電池・電気自動車の施工販売を行っている会社です。あと、新電力会社なんかもやってますので、電気周りは全部お任せいただけます!

最近のブログでは、「蓄電池の展望」としまして、今後の蓄電池はどうなっていくのか、技術の革新や市場動向などを取り上げています。

ここ数回にわたって、蓄電池市場の業界動向についてをお伝えしています。

今回のブログでは、「今年の売電単価と今後の予測」と題してお話させていただきますので、皆様最後までお付き合い下さい!

そもそも売電単価とはというお話からさせていただきます。

売電単価とは、電力会社に電気を売る(売電する)時の、1kWhあたりの単価のことを言います。

太陽光発電を設置されているご家庭では、その多くが、太陽光発電が発電している昼間の電気を太陽光発電でまかなって、余った余剰電力を売る(売電する)ということを行っています。

その余剰電力を電力会社に買い取ってもらった対価として得られるのが売電収入で、売電単価に売電した電力量をかけることで計算できます。

売電単価と言われた時に、下記2つの単価がございます。今回のブログでは順番にどちらもその単価と今後の予測をお伝えしていきます!

①新しくFITに認定される太陽光発電の売電単価

②10年間の売電期間が終わって、11年目以降の売電単価

①新しくFITに認定される太陽光発電の売電単価

固定価格買取制度(FIT制度)に新たに認定された年度によって、売電単価が違ってきます。下記に一覧で売電単価と導入件数をまとめてみました。

年度10kW未満 売電価格導入件数
2009年48円/kWh559,438件(2009年までの累計導入件数)
2010年48円/kWh187,664件
2011年42円/kWh235,817件
2012年42円/kWh426,868件
2013年38円/kWh288,118件
2014年37円/kWh178,721件
2015年33(35)円/kWh206,921件
2016年31(33)円/kWh161,273件
2017年28(30)円/kWh133,012件
2018年26(28)円/kWh146,640件
2019年24(26)円/kWh151,644件
2020年21円/kWh

※買取価格:資源エネルギー庁ホームページ「過去の買取価格・期間等」等より作成

※()内は「出力制御対応機器設置義務あり」の価格を記載

※導入件数:一般社団法人 太陽光発電協会「太陽光発電の状況ー 主力電源化に必要な新規案件開発継続ー(2020年10月30日)」より作成

年々下がっていっていますね。今年や来年の単価はどうなるのでしょうか?

令和3年1月27日に調達価格等算定委員会より、「令和3年度以降の調達価格等に関する意見」という資料内で2021年度・2022年度の価格が発表されました。

例年、調達価格等算定委員会が出した価格に決まるので、今年は下記の価格での買取になりそうです。

2021年19円/kWh
2022年17円/kWh

FIT制度ではなく、FIP制度という別の制度になるなどといった話もありますので、固定価格での買取があるうちに太陽光発電を導入されるのがオススメです。

②10年間の売電期間が終わって、11年目以降の売電単価

①のFITでの買取が終わった場合、新しい売電先を探し、売電先やプランによって売電単価が変わってきます。

まず各地域の大手電力会社への11年目以降の売電単価を見てみましょう。

社名買取単価(円/kWh)
北海道電力8円/kWh
東北電力9円/kWh
東京電力8.5円/kWh
中部電力プランにより7~12円/kWh
北陸電力プランにより1~17円/kWh
関西電力8円/kWh
中国電力7.15円/kWh
四国電力プランにより7~8円/kWh
九州電力7円/kWh
沖縄電力7.5円/kWh

電力会社やプランによって差はありますが、おおよそ10円以下になるかと思います。

昨年2020年に認定された新規の太陽光発電の売電単価が21円/kWhでしたので、だいたい1/2で、一番売電単価が高かった48円/kWhのときと比べると、約1/5に下がることになります。

「これまで高く買い取ってくれていたのに、11年目以降はどうしてそんなに売電単価が下がってしまうの?」そう疑問に思われる方が多いです。

このご質問に関しては、卸価格と発電原価という2点からご説明が可能です。

卸価格

多くの製品がメーカーが出荷したときと、皆様の手元に届くときとで価格が変わってきます。これは間に商社などの仲介会社が存在して、仲介手数料などの費用が加わるため、手元に届くときの購入価格と、メーカーが商品を卸すときの卸価格が違うという構造です。

電力についても同様のことが言えます。

電力会社視点で考えると、大規模発電所で発電された電気も、ご家庭で発電した電気も同じ電気なので、同様の価格、卸価格で買い取ることになります。

電力の卸価格については、一般社団法人 日本卸電力取引所のホームページで公開されています。

さっき見たところ、「スポット市場 ─ 2021年03月25日受渡分の取引情報」はDA-24(Day Ahead 24 hours)で「6.29円/kWh」でした。

特別高騰している場合などを覗いて、ほとんどの場合で10円以下なので、電力会社が皆様のご家庭から買うときにも10円以下で仕入れをするのです。

発電原価

「卸価格なのは分かったけど、20円台で売っているんだからもうちょっと高く買い取ってくれてもいいのに」と思われる方もいらっしゃるでしょう。

皆様のご家庭が電力会社から購入する電気は時間帯によっても値段が違うことがありますが、だいたい20円台です。この20円の構成比を考えます。

資源エネルギー庁が発行する「個別の原価等の論点(燃料費、購入・販売電力料)」(平 成27年2月2日)には各発電所ごとの燃料費と発電量、単価がまとめられています。

H27年度燃料費(億円)発電電気量(億kWh)単価(円/kWh)
火力燃料費10,60298610.75
核燃料費42560.75
合計10,6441,04310.21

ここの単価が発電原価と言われるもので、おおよそ10円でした。

ただ、電力会社は発電だけではなく、発電所建設や、送配電設備の修繕、管理などにもお金がかかりますし、もちろん電力会社で働く人にお給料を支払わなければなりません。

そのため、皆様のお手元に電気が届く際には、発電原価の約10円と、諸々のかかる費用も合わせて約20円程度の金額で売られているのです。

これらの理由から、FIT期間が終わった以降は今後もこれより高い価格で買い取られることは難しそうです。

これまでは電気を売って売電収入を得る時代でしたが、これからは電気を自宅で使う自家消費の時代に変わってきているのです。

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